桜の花が咲き誇る春の季節。お花見の席で楽しむ和菓子として、清涼感あふれる「玉露の水ようかん」はいかがでしょうか。高級茶葉・玉露の香りと風味が楽しめる上品な水ようかんは、春の陽気に癒されながら味わうのにぴったりの和スイーツです。今回は、お花見シーズンにぜひ作っていただきたい、玉露の水ようかんのレシピをご紹介します。
玉露水ようかんの魅力
水ようかんは、暑い夏の季節に食べる涼菓子として知られていますが、実は春のお花見シーズンにもぴったりの和菓子です。桜の下で味わう冷たいようかんの口どけの良さと、玉露の芳醇な香りは格別の味わいを生み出します。
玉露は日本を代表する高級緑茶。約20日間ほど茶園を覆いをかけて育てるため、渋み成分が少なく、甘みとうま味が強いのが特徴です。この玉露を使った水ようかんは、緑茶本来の豊かな風味を存分に楽しめる一品となります。
玉露の水ようかん基本レシピ
材料(約12人分)
- 糸寒天:10g
- 水:1100g
- グラニュー糖:230g
- 白あん:1600g
- 葛粉:12g
- 玉露パウダー:14g
作り方
1. 準備
まず、使用する器具を清潔にし、材料を正確に計量しておきましょう。白あんはあらかじめ室温に戻しておくと作業がしやすくなります。
2. 寒天を戻す
糸寒天10gをぬるま湯に浸けます。3時間ほど置いて寒天を十分に戻しましょう。寒天が柔らかくなったことを確認してから次の工程に進みます。
3. 寒天を煮溶かす
鍋に、戻した寒天の水を切り水1100gと一緒に中火にかけ、煮ていきます。沸騰してから約5分間、寒天が完全に溶けるまで煮続けます。この時、アクが出てきたらていねいに取り除きましょう。
4. 砂糖を加える
寒天が完全に溶けたら、グラニュー糖230gを加えよく溶かします。砂糖が完全に溶けたら、いったん火を弱めます。
5. 葛粉を溶く
別の小さなボウルに葛粉12gを入れ、少量の水(分量外)で溶いておきます。ダマにならないよう、しっかりと混ぜましょう。
6. 白あんを加える
鍋に白あん1600gを加え中火にし、木べらなどでよく混ぜながら溶かし込みます。
白あんが完全に溶けて鍋の周りがふつふつと沸いてきたら、溶いた葛粉を混ぜながら加えます。
7. 煮詰める
木べらで底から混ぜながら、沸騰するまで煮詰めます。混ぜる際は、焦げ付かないよう注意しましょう。
8. 玉露パウダーを加える
煮詰まったら、弱火にし玉露パウダーに少量を3回に分けて入れダマにならないように溶かします。
溶かした玉露パウダー液を再び本体に戻し入れ混ぜ合わせます。
清潔な漉し器やザルにさらしなどを敷き、そこに流し入れて漉します。これにより、よりなめらかな食感の水ようかんに仕上がります。
9. 型に流し入れる
お好みの容器に漉した生地を流し入れます。容器は事前に水で軽く濡らしておくと、後で取り出しやすくなります。春らしく桜の形の容器や、淡いピンク色の器を使うと、お花見の雰囲気がより一層引き立ちます。
10. 冷やし固める
流し入れた容器をそっと冷蔵庫に入れ、約2〜3時間以上冷やし固めます。お急ぎの場合は、氷水につけると早く固まります。完全に固まったら完成です。
失敗しないコツ
水ようかんを作る際の失敗しないポイントをさらに詳しくご紹介します。
寒天の扱い方
寒天は水ようかんの骨格となる重要な材料です。寒天の粒が完全になくなるまで十分に溶かしてからグラニュー糖を入れるようにしましょう。 溶け残った寒天の粒があると、口当たりが悪くなるだけでなく、水ようかん全体の固まり方にムラができてしまいます。鍋の底や側面にも寒天が付着していないか確認しながら煮溶かすのがポイントです。
玉露パウダーの混ぜ方
玉露パウダーは高級な材料だからこそ、その風味を最大限に活かしたいものです。玉露パウダーを直接液体に加えるとダマになりやすいので、まずは少量のようかん液で練ってペースト状にします。このペーストにまた少量のようかん液を加え、3回目で液体にすることでダマを防ぎます。 この方法なら玉露の鮮やかな緑色と芳醇な香りが水ようかん全体に均一に広がり、見た目も味も上質な仕上がりになります。
お花見での楽しみ方
盛り付けのポイント
玉露の水ようかんを美しく見せるコツは、切り方と盛り付けにあります。四角や三角、菱形など、和菓子らしい切り方で供しましょう。白い取り皿に緑の水ようかんを置くと、色の対比が美しく映えます。また、桜の葉の塩漬けを添えると、春らしさが際立ちます。
食べ合わせ
お花見では、玉露の水ようかんに加えて、桜餅や道明寺など、他の春の和菓子と一緒に楽しむのもおすすめです。もちろん、高級玉露や煎茶などの日本茶と一緒に味わうと、より一層風味を感じられます。
アレンジレシピ
桜風味の玉露水ようかん
基本のレシピに桜の塩漬けを細かく刻んで加えたり、仕上げに桜の花びらを飾るとより春らしさが増します。
二層の水ようかん
白あんの代わりに、下層は抹茶あん、上層は白あんを使った二層仕立ての水ようかんも華やかです。
保存方法とコツ
水ようかんは冷蔵庫で3〜4日ほど保存可能です。ただし、日が経つとやや水分が出てくることがありますので、お花見当日か前日に作るのがベストです。また、保存する際は乾燥を防ぐため、ラップをしっかりかけておきましょう。
まとめ
春のお花見に、玉露の香り高い水ようかんを持参すれば、一層の風情が感じられるでしょう。淡い緑色の水ようかんは、満開の桜の下で視覚的にも映え、清涼感のある食感は春の陽気にぴったりです。
手作りの和菓子でお花見を彩り、日本の春の風物詩をより深く楽しんでみてはいかがでしょうか。高級茶葉の玉露パウダーは少々お値段がしますが、その香りと風味は市販の水ようかんとは一線を画す贅沢な味わいを提供してくれます。
この春、ぜひご家庭で玉露の水ようかんを作り、大切な方々とのお花見の席で楽しんでみてください。きっと素敵な春の思い出になるはずです。
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