こんにちは、和菓子愛好家の皆さん。暑い夏には、涼やかな見た目と爽やかな味わいの和菓子が恋しくなりますね。今回は、夏の果物を使った本格和菓子「みかんの寒天ゼリー」のレシピをご紹介します。みかんの皮をそのまま器にして、中に寒天ゼリーを流し入れる見た目も美しい一品です。
伝統的な寒天と葛を使った本格的な和菓子ですが、家庭でも作りやすいよう丁寧に解説していきます。季節のフルーツを活かした和菓子作りを楽しんでみましょう。
夏みかんの寒天ゼリーの魅力
この「みかんの寒天ゼリー」は、見た目の美しさと爽やかな風味が魅力です。透明感のある寒天ゼリーがみかんの器に収まり、切り分けた時の断面も美しく、おもてなしにもぴったりです。
寒天と葛を組み合わせることで、プルンとした食感と滑らかさを両立させています。市販のゼラチンデザートとは一線を画す、本格和菓子の味わいをお楽しみいただけます。
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寒天とゼラチンの違い:みかんゼリーに最適なのは?
みかんの寒天ゼリーを作る時、寒天とゼラチン、どっちがいいか迷ったことありませんか?
実は、和菓子にぴったりの涼やかな食感を出すには、選び方がとっても大事!ここでは、寒天とゼラチンの違いを比較して、みかんゼリーに最適なのはどっちか、分かりやすく解説するよ!
項目 | 寒天 | ゼラチン |
---|---|---|
原料 | 海藻(テングサ) | 動物(コラーゲン) |
食感 | しっかり、プルプル | 柔らか、とろける |
固まる温度 | 常温でもOK | 冷蔵庫必須 |
カロリー | ほぼ0 | 少しあり |
用途 | 和菓子に最適 | 洋菓子に多い |
夏の和菓子には常温で固まる寒天が便利だよ。ゼラチンだと溶けやすいから注意してね。
材料(みかん大4個分)
みかんの器準備用
- みかん(なるべく大きめのもの):4個
寒天ゼリー用
- A:
- 糸寒天:10g
- 水:400g
- グラニュー糖:400g
- B:
- 葛:15g
- グラニュー糖:60g
- 水:200g(葛を溶かす用)
- みかんの果汁:400g
道具
- 鍋:2つ
- おたま
- ボウル
- こし器
- 包丁
- まな板
- 計量カップ
- 計量スプーン
作り方
1. 寒天の準備
寒天の扱いが、このデザートの成功の鍵を握ります。
- 糸寒天10gをぬるま湯に漬けておきます。約3時間で寒天が十分に戻ります。急ぐ場合は水から茹でる方法もありますが、じっくり戻した方が風味が良くなります。
- 寒天が戻ったら水をしっかり切ります。水分が多いと固さの調整が難しくなるので、この工程は丁寧に行いましょう。
2. みかんの器作り
まず、みかんの器を作ります。これが今回のデザートの「顔」となる部分ですので、丁寧に作りましょう。
- みかんの上部分を水平に切り落とし、蓋を作ります。切り口が美しく見えるよう、鋭い包丁でまっすぐ切ることがポイントです。
- 本体の切り口に沿って丸く切り込みを入れます。この時、皮に近すぎると破れやすくなるので注意しましょう。
- 切り込みに指を入れて、中身を丁寧に取り出します。みかんの器が破れないよう細心の注意を払いましょう。
- 取り出した中身を絞り、400gの果汁を準備します。果汁は裏ごしすると、より滑らかな仕上がりになります。
- みかんの器と蓋は冷蔵庫で冷やしておきます。冷やすことで形状が安定し、後で寒天液を注ぐときに便利です。
3. 寒天液の調理(A)
- 戻した寒天を鍋に入れ、水400gを加えます。
- 中火で熱し、沸騰させます。寒天が完全に溶けるまで、約5〜10分程度煮込みます。
- 寒天が透明になって完全に溶けたら、グラニュー糖を加えます。
- 糖分が完全に溶けるまで、木べらで優しく混ぜ続けます。焦げ付かないよう注意しましょう。
4. 葛液の調理(B)
- 別の鍋にBのグラニュー糖60gを入れます。
- 水200gで溶いた葛15gを漉しながら鍋に加え、均一に混ぜます。葛は固まりやすいので、しっかりと溶かすことがポイントです。
- 弱火にかけ、絶えず木べらで底から混ぜながら葛を「返して」いきます。均等に熱が入るようにすることで、ダマになりにくくなります。
- とろみがついてきたら、A液をおたま一杯分入れて混ぜ、液状にします。
- それをA液の鍋に戻して合わせます。この工程で温度差による固まりを防ぎます。
5. 果汁を加える
- 合わせた液を再び沸騰させたら、火を止めます。
- みかんの果汁400gを加え、よく混ぜ合わせます。
※重要:火を付けたままで果汁を加えると寒天が固まらなくなるので、必ず火を止めてから加えましょう。 - 混ぜた液体をボウルに漉します。これにより、さらに滑らかな舌触りになります。
6. みかんの器に流し入れる
- 寒天液が人肌程度(40度前後)まで冷めるのを待ちます。熱すぎるとみかんの器が傷む原因になります。
- 冷やしておいたみかんの器に、冷めた寒天液をゆっくりと流し入れます。
- 冷蔵庫で3時間以上冷やし固めます。
7. 仕上げ
- 完全に固まったら、みかんを切り分けて皿に盛り付けます。
- お好みで、ミントの葉や季節の花を添えると、見た目がさらに華やかになります。
バリエーション
みかん以外にも、様々な柑橘類で試してみることができます:
- グレープフルーツ:大きめで作りやすく、ほんのり苦味があり大人向け
- 夏みかん:爽やかな酸味と香りが楽しめます
- オレンジ:甘みが強く、お子様にも人気
作る際のポイント
- みかんの選び方:皮が厚めで形の整ったものを選ぶと器作りが簡単です
- 寒天の戻し方:時間をかけてじっくり戻すことで、風味が良くなります
- 葛の扱い:ダマにならないよう、水で溶いてから加熱します
- 温度管理:果汁を加える際は必ず火を止めること
- 冷やす時間:最低でも3時間、できれば一晩冷やすとより味が馴染みます
おわりに
夏の暑い日に、自家製の「みかんの寒天ゼリー」はいかがでしょうか。透明感のある美しい見た目と、寒天と葛が織りなす独特の食感、みかんの爽やかな風味が三位一体となった本格和菓子です。
和菓子店で販売されているような本格的な味わいを、ご家庭で簡単に再現できるのも魅力です。家族へのデザートはもちろん、来客時のおもてなしにも喜ばれること間違いなしです。
季節の果物を活かした和菓子作りで、日本の伝統的な食文化を楽しんでみてください。次回も、季節に合わせた本格和菓子レシピをご紹介していきます。お楽しみに!
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